むらたけん online


issue #48 / november 18, 1997

Micro$oft vs. 米司法省 緊急リンク集
97.11.2 - 18:47 - release 2




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も、おひさです。むらたけんっす。なんと、2ヶ月ぶりのアップデートです。たびたび見にきてくれていた方にはごめんなさいです。実は手玉は沢山あって、書きかけの原稿が8本、頭の中に3本くらいあるのですが、なんせ時間がなくて...。これからも随時アップデートしていくつもりなんで、見捨てないでやってください(^_^;。 更新を通知するメールサービスもあるんで、良かったら登録してやってください。(下のリンク参照)

ホントは今回は一部で予告していた LucasArts製作の PC/AT-Win95用ゲーム、"JEDI KNIGHT - STAR WARS; DARK FORCES II"の特集をやるはずだったのですが、原稿量が長くなりそうなのと、準備に時間が掛かりそうなので、それはまた次回。とーはいえ、今回も一応ゲームの話題です。


近、どーもプレステ(PS)から離れ気味です。で、なんでかなーと考えると、集約的には「PSがつまらなくなってきた」、これに尽きるような気がします。

あちきが、S会長率いる「プレステ会議室」に出没する前、しばらくにふちーのゲームフォーラム内のPS会議室にたむろっていたことがあります。そう、ちょうどPSが発売されて1年も経ってなかった位の時期です。私がPSを買った理由はただ一つ。


「キリーク・ザ・ブラッド」がやりたかった。


これがあちきにとってPSのキラーアプリでした。まぁ、ゲームそのものは完全に腐っていたわけですが、少なくとも、このゲームについて語ることに熱くなれる時期がありました。そしてこのゲームを通じて、「ゲームとはなんぞや?」という、一種哲学めいた真理の探究に心燃やせるときがありました。「PSの販売戦略」ということで、マーケティングの話題もできたし、「スクエアがPSに参入!」という劇的な話題になったときは、任天堂とスクエアの関係(相互の持ち株とか)を調べるために、図書館に通って、四季報なんかを漁っていたりしてました。

あちきにとって、「キリーク・ザ・ブラッド」は腐れゲームでした。が、今振り返ってみると、これだけの話題を提供してくれたという点に関しては、金額に見合うだけの知的満足は得られたと感じます。


ころが、最近はどうでしょう。

種類が豊富というのは、それはそれで非常にいいのですが、どうもPS−アタリ化現象が起きているような気がしてなりません。

ここで、アタリという会社の過去について知らない方にご説明しておきましょう。アタリという会社はファミコンが発売される前の70年代に、1台のゲーム機を市場に投入しました。"ATARI 2600"と呼ばれるこのゲーム機は「安い、丈夫、仕様の公開」を3原則としていました。

このプラットフォームは売れに売れて、全米の3割の世帯(2,600万台)が所有するという恐ろしい市場を形成しました。その理由は「仕様の公開」によるゲームの豊富さ。人々は、数々の魅力的なゲームに引かれ、このゲーム機を購入したわけです。当然のことながら、ソフトメーカーはこれまた凄まじい数のゲームを投入しました。しばらくは「出せば売れる」という状況が続きますが、この結果、粗悪な出来のゲームという負の財産が徐々に蓄積されていったのです。

...そして、1983年のクリスマス商戦。この手の会社としては一番重要なシーズン。この大切な時期において、アタリのマシンは、ゲームは、全く売れなくなるという最悪の状況に陥ったのです。粗悪な作りのゲームを乱発したメーカーに対する、ハードに対する、そしてゲームに対する、ユーザの不信感が一気に爆発したのです。そしてアタリはついに倒産しました。これが世に言う「アタリショック」です。この「アタリショック」は、かなり強烈だったらしく、「ゲーム業界は消失した」とさえ言われていました。


発としてファミコンを投入した任天堂はこの轍を踏まえ、強力なライセンス制度という布陣を敷きました。(要は任天堂が許可しないソフトは発売しない。しかも供給量すら任天堂がコントロールする。俗に言う「任天堂方式」) ファミコンが市場に投入されたのが、なんと 1983年。(アメリカでの投入はもっと遅いと思うけど) 任天堂がソフトの供給に関して神経質になるのも無理はありません。ま、これも最終的には、かなり適当というか、儲け主義に走った感じで、ファミコン、スーファミも中期から晩期になると、変なソフトが乱発されてました。そんな状況に懲りたのか、N64では、更に強力なライセンス制度(サードパーティーならぬセカンドパーティーというらしい)を敷いているのは、皆さんもご存知の通りです。ソフトが少ない代わりにハズレはそんなに多くない。その代わり、ユーザもそんなに多くない。(^_^; これは山ノ内会長が「アタリショック」の恐ろしさを骨の髄から知っているからです。(もっともN64のメインとなる市場は完全にアメリカに移っちゃったので、日本という市場はもうどーでもいいのかもしれない)

この任天堂とは逆の方向に進んでいるのが、現在のPSなわけです。つまり状況としては、「アタリの進んだ方向」に真っ直ぐと向かっているようにしか思えないのです。

実際、PSは仕様が公開されてはいないものの、その開発器材などは非常に安いと聞きます。また、ライブラリが整っているために、開発がしやすいともいわれています。ということは、非常に参入がしやすいという訳で、結果、3Dポリゴンがバリバリだけど、どっかで見たことのあるようなソフトがワンサカと発売される訳です。(ある意味でアタリよりも質が悪い)
PSのソフト販売における採算分岐点は5万本といわれています。つまり、5万本ソフトが売れるとトントン。それから上が儲けというわけです。ところが現在のPSでこれを上回るのはかなり難しく、2〜3万本はザラ。モノによると5千本しか売れないというのもあるそうです。当然の事ながら、売れないメーカーはソフト開発にお金を掛けることができず、儲けに走ってくだらないソフトを連発するわけで、そうなるとますますPSがつまらなくなり、人はどんどん離れていってしまう。現在、ソニー内部ではPSのことを「プレステ」と呼ぶことを禁止しているそうです。「プレステ」だと「プレ捨て」という語感を想像してしまう、そんな理由からだそうです。プレーしては捨てられてゆくゲームたち。。。第2の国民機といわれるようになったPSですが、実はそのシナリオは破滅の道へ突き進む筋書きとしか、私には読み取れません。

以前、「全てのゲームはここに集まる」というPS初代キャッチコピーを作られたソニーの広報の方とメールのやり取りをしたことがあります。「クソゲーまで集まってきたら凄くヤですね」と冗談半分で話していたのですが、ここまで現実化してしまうと、1ユーザとして非常に心配です。



今、PSで面白そうな最新ゲーム、あなたは何本上げられますか?







実はこれは、先のプレステ会議室に上げる予定だったのですが、書いているウチに長くなっちゃったので、こっちにしました(^_^;。



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