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むらたけん online

今回は、

またまた自分の趣味で恐縮ですが、正月休み中に見た2本の映画(ビデオ)について、ちょっくらその所感なんぞを述べてみたいと思います。かなり方向性の違う作品なんで、一度に借りると知っている店員には白い目で見られるかも知れません。。。

シリアル・ママ

という映画は久々に感動した最高にキレた最高の映画です。主人公はとある平和な家族。明るいママ、温厚なパパ、仲の良い兄妹。ところが、このママ。実はシリアル・ママだったのです。シリアル・ママは社会にはびこる悪者が大嫌い。家庭の平和を脅かす者、社会のルールを守らない者には容赦ありません。残酷に、そして楽しく殺していきます。
「シリアル」というのはいわゆる「食べ物」のシリアル(ケロッグのコーンフレークみたいなやつ)という意味もありますが、「連続殺人」という意味もあります。平和な家庭の象徴である「シリアル」と、連続殺人の「シリアル」。この全く反対の意味を持つ二つの言葉を併せ持った「シリアル・ママ」が織り成す世界は、その残酷な内容にも関わらず、非常にコミカル。ブラックユーモアここに極まれり。
シリアル・ママ役にはキャスリーン・ターナー。恐ろしいほどハマってます。この映画はほとんど彼女のために作られたといっても過言ではありません。決行前の非常に恐ろしい殺人鬼が、決行後には可愛らしいママに大変身。獲物を追っている車の中から家族に手を振る時の愛くるしい顔は、私、一生忘れることができないでしょう。
かなり古い映画ではありますが、筒井康隆が好きな人ならこの映画は死んでも観るべきです。スラップステッィクな映画では、これ以上の映画を私は観たことはありません。

(ハル)

コンピュータやパソコン通信、Internetを題材とした映画は数多くありますが、それらの多くはサスペンス仕立てのものばかり。しかも、それらのほとんどが2流以下。ザ・インターネット(なんで「ザ」?)は、ほとんど素人が作ったのではないかと思われるほどです(かなり古いですが、ウォーゲームは結構好き)。
さて、この(ハル)という映画はそういったサスペンスとは対極に位置する映画です。なんとラブストーリー。男女二人のネットワーカーが、ふとしたきっかけで始めたメールのやり取り。その二人の関係が育まれていく様をメールを通じて語ってゆく、この映画の表現手法は、一見画期的。しかし、実はサイレントのオマージュなのではないかとも思わせます。
毛色が違うとはいえ、この手の映画の中では、ずば抜けて素晴らしい作品です(その他の作品がダメ過ぎるという嫌いもありますが)。監督が森田芳光というのも、その作風からうなずけます。淡々としたラブストーリーを撮らせたら、この人の右に出る人はいません。
ちなみにこの映画。パソコン通信を題材にしているくせに、そのパソコンがほとんど画面に登場しません。そればかりか、この手の映画によくある「いかにも自分が画面を見ているようなデスクトップ」が一度も出てきません。そのくせ、メールの真髄が分かっていないと、意図している意味が完全には伝わらない。そういう意味では、素人向きの映画ではない、本当のパソコンユーザー向きの映画なのかも知れません(笑)。




issue #38 / January 14, 1997




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