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#51 / May-June, 1998
 
 clock uppers June 21st,1998 - 19:03 


ウワサの Celeron(*1)をゲット! しかも、コスタリカ産のリテールでロットは SL2QG。これは Celeronの中でも、一番クロックアップの耐性が高いといわれているロットだ。もう、ラッキーとしか言いようがない。

ことの始まりは Celeron Worldに訪れるところから始まった。土曜日に会社に仕事にきていたあちきは、何気なく Celeron Worldの BBSにいって、その書き込みを見てしまったのだ。「新宿ソフマップに Celeronあり」。その書き込みは3時頃だったのだが、まぁ、もうないだろうと、仕事があけた6時頃に半分冷やかし半分に見に行ったら、ソイツはそこにいた。元々、買う気なんて全然なかったのだが、店員に聞くと、なんとこいつが最後の一品らしい。しかもロットを確認したら、SL2QGではないか!!! これを衝動買いというのだろう。マジでドキドキしながら、最後の Celeronを入手することに成功した。横には、それを買おうか買うまいか悩んでいた2人組が、妙に悔しそうであった。
でも、確かに Celeronって、コストパフォーマンスの高い石だけど、今まで ATマザーを使ってシステムを組んでいたいあちきには、周りのパーツを買いそろえ直さないとイカンので、実はかなりの出費になるんだよね(T_T)。しかも、マザーも石(MMX233)も3月に買ったばかりだというのに。。。

*1 Celeron 266MHz
Celeronはいわゆる低コストPC、エントリーPC用の CPUとして、Intelが発表した低価格 CPUだ。中身は PentiumIIから L2キャッシュを省いたというシロモノなのだが、Intelの発表や、メディアでの評判などから、当初はキワモノ的、低レベルヤロー的な存在として、冷笑に迎えられて登場した。自作組な人は誰も買わないであろうと思われたこの CPUは、しかし L2キャッシュというクロックアップのお荷物になるものを無くしたことによって、実は非常にクロックアップに耐える CPUということが判明したのだ(もちろん数多くの人柱が犠牲になった(^_^;)。266MHzの Celeronは、なんと 400MHzオーバーで駆動する。PentiumII 400MHzが 10万以上する中、Celeronは 2万弱。これはあまりにも美味しすぎる CPUなのだ。
しかし、ロットによってはクロックアップに耐えられないものもあるので、購入には細心の注意が必要だ。また、266MHzよりも速く駆動しそうな Celeron 300MHzは、実は 266MHzよりもクロックアップの余地がほとんど無く、クロックアッパーには見向きもされていないという、面白い現象も発生している。おまけに Intelは次の代から、クロックアップを阻害するリミッターを CPUに搭載してくるということもあって、この Celeronブームはアングラなところで加速しまくっている。
 
 
 be on the OUTLOOK for... June 16th,1998 - 20:10 


我らがM$の最新メーラーが、またまたクリティカ...ではなく、スマッシュヒットをトバしてくれたぞ! なんと、自動的にお友ダチにたくさんのメールを送ってくれるんだ! これでもう、仲の良い友ダチに「キミからのメールが少なくて寂しいなァ」なんて言われなくて済むんだ! M$のメーラーは、こういった機能をたっくさん付けてくれるから、Internetの世界でもダ〜イ人気!(しかも、こういったクールな機能はどれもこれも全部タダなんだゼ! くぅ〜、さすがM$!) さぁ、今すぐにキミもこの最新メーラをゲットして、お友ダチにハッピーなメールを山ほど送ろう! たっくさんメールを送っておけば、M$Nでメールが消えて無くなるいつもの心配なんてオサラバさ!

最新! M$メーラの楽しい機能の使い方
 
 
 Voodoo is religion for gamers.
 why don't you p[r|l]ay with me?
June 14th,1998 - 12:29 


下にもちょいと書きましたが、今のあちきの生活は相当に偏っているというか、Voodoo(3Dfx)(*1)を中心に回っているというか、とにかく凄いことになっています。この Voodooってのは、ゲーム用の3Dアクセラレータカードで、メリケン用の3Dゲームの多くはこれに対応しています。Direct3D(*2)対応の3Dアクセラレータもたくさん出ているし、Direct3D対応のゲームもそこそこ出ていますが、ハッキリ言って他の3Dアクセラレータは全然目ではありません。当然のことながら Voodooは Direct3Dにも対応していますし、最近は OpenGLにも対応していて、ベータ版ですがドライバも配布され始めました。また、面白いことにゲームデベロッパの多くは、「Voodooの Direct3Dで表示されるグラフィックが、このゲームの本当の姿です。他のボードでちゃんと表示されなくても、それは保証外よ(^_^;」と最初からウタっているところが多く、先日発売された M$の "Outwars"も、(Direct3Dのくせに) Voodoo専用をウタってます。"Tomb Raider 2"(トゥームレイダー2) も、完全に Direct3Dゲームなのに、雑誌などでは 3Dfx専用と書かれていたりします。

Voodoo(CreativeLabs. 3D Blaster Voodoo2 12MB)を買ってからというもの、PS、SSのソフトは全く買う気になれず、火すら付けていません(N64は「ウッチャンナンチャンの電撃イライラ棒」を 900円で買った時に一回だけ火を入れた)。

絵の凄さは PSや SSなんて足元にも及びません(近日中にスクリーンショットを掲載予定)。まぁ、価格がおおよそ PS2台分(\34,800〜 \38,000前後)なだけに、実際、凄くないと困るわけですが...(^_^;。でも、対応ゲームの面白さは、日本のソレより遥かに私好みです(つーか、日本にはあちきの大好物の3Dシューティング−いわゆる Doom系が全然ない)。Voodooユーザになってから、およそ3ヶ月くらいしか経っていませんが、もう完全に元を取った気分です(^_^)。


*1 Voodoo, 3Dfx
Voodooとは、3Dfx Interactive社の作った3Dゲーム専用チップ、またはこのチップが載った3Dアクセラレータカード(以下カード)の総称を指す。3Dfx社はこれしかプロダクトがない(知られていない)ため、書物や会話中に "3Dfx"という単語が出てきたとき、それは会社の方ではなく、Voodooの方を指すことが多い。また、3Dfx社は Voodooチップ(またはカードの仕様)を提供するだけで、製品としての Voodooカードは他のビデオカードメーカなどが製造している。Voodooを世に知らしめたのは Diamond Multimedia社の "Monster 3D" で、米国でのこのカードの躍進により3Dゲームといえば "M3D"というのが当たり前になっていった。日本ではカノープスの "Pure3D"に根強い人気があり、「かのぷーの Pure3D」として知られ、愛用者が多い(当初は米国のみでの販売だったが、逆輸入する人が多かったのか、後に日本でも発売するようになった)。日本では他に I/Oデータの "GA-RUSH"などがある。
Voodooチップは、現在のところ3種類あり、それらは Voodoo Graphics, Voodoo Rush, Voodoo2と呼ばれる。Voodoo Graphics(以下 Graphics)は純粋に3Dの機能しかないため、他の2Dカードを必要とするが、Voodoo Rush(以下 Rush)は2Dを表示するための機構を持つため、1枚のカード−1本の PCIバスで済む。性能は基本的には同一であるが、Rushの方が劣ったり、ソフトによっては問題が発生するという報告が多々出されている。Voodoo2は Graphicsの後継チップで、Graphics/Rushと比較して、約2〜3倍の性能的パフォーマンスがある。Voodoo2を載せたカードとして最初に登場したのが、CreativeLabs.の 3D Blaster Voodoo2で、追って先の覇者、Diamondの Monster 3D IIが登場した。Graphics/Rushもそうなのだが、同一のチップであれば、メーカーによるカードの機能的・性能的な差は殆どない(ビデオ出力機能を持ったものもあるが、描画速度や描画品質という面においては、どれもほぼ互角である。唯一、Pure3Dが独自ドライバーなため、若干速いという報告が出されている)。
Voodoo2には Graphicsや Rushにはない面白い機能を持っていて、同じカードを2枚指すことによって、なんと速度が約2倍になる(あるいは高解像度でも全く速度が落ちない)。これは "ScanLine Interleaving(SLI)"という機能で、画像の偶数ラインと奇数ラインの描画を2枚のボードに負荷分散させることにより実現している(ただし対応ソフトでないと本当の実力は出せない)。
3Dfx社の VoodooはPCの3Dゲーム業界ではデファクトスタンダードであり、NECの PowerVRは足元にも及んでいない。SEGAの次世代プラットフォーム、"Dreamcast" が WindowsCE+PowerVR2(PCX2)+DirectXを採用するが、これが今後、PC−3Dゲーム業界にどのような影響を及ぼすのか、興味津々といったところだ。

*2 Direct3D, OpenGL, 3Dfx Glideなどの APIと Voodoo
Direct3Dとは Micro$oftが開発した3D画像を表示するための API(プログラムに必要な口)であり、ゲーム用 APIの統合名称、DirectXの中核を成す重要なコンポーネントである。Direct3D(以下 D3D)は、巷の主要な3Dアクセラレータカード(以下カード)が対応している一般的な APIである。3D画像を表示するための APIとしては、他に SGIの OpenGLがあり、これは Windowsという閉じたプラットフォームに限定されない、高機能かつ汎用的な APIとして、グラフィックワークステーションとして使われている UNIXや WindowsNT用の3Dレンダリングソフトの開発で主に利用されている。通常、カードのドライバが、これらの APIを解釈して、カードに描画させる。Voodooは、これらの APIの他に Voodoo専用の API、3Dfx Glide(グライドと発音、以下 Glide)を用意している。
カードが、これらの APIに対応しているということは、ソフトウェアでレンダリングするよりも「高速に」「美しく」表示することができるということだ。しかし、幾ら同じ APIに対応しているとはいえ、カードによって表示される画像は微妙に、というか相当に違う。これは、そのカードが APIの用意している機能(ギザギザをなくすとか霧を掛けるといったレンダリングの諸機能)の全てに対応していない、またはカードによって機能に差があるためである(特に D3Dは、こういったレンダリングの諸機能を「オプション扱い」とし、これら全てのオプションに対応していなくても、D3D対応としても良いとしている)。
また、カードによっては(ドライバのバグとあいまって)描写速度を上げるとテクスチャの抜けや描画欠けといった現象が起きることもあり、物によっては非常に見苦しい(太陽が黒い立方体になったりする)。
Voodooは D3Dの多くの(ほとんどの?)機能に対応している上に、高速に描画することに長けているため、他の「D3D専用カード」よりも遥かに画質が良く、また非常に(異様に)速い。また、専用APIの Glideでは(D3Dでも速いのに)更に高速に、更に凝った画像を表示することが可能となる(D3Dは多くのハードに対応するために APIとして抽象度が高くなるため、これは当然のことではあるが)。
ただし、Voodooには強力な欠点もあって、基本的にはゲーム専用のカードなので、「フルスクリーンで表示」することが前提になっている。つまり、ウインドウ上での表示は(出来ないことはないが)不得手である。まさに、「ゲーマーのためのゲーム専用3Dアクセラレータカード」なのだ。
 
 
 (Can't you) trip like I do
June 14th,1998 - 8:30 


今まで利用できなかった上のボタン、[other links] を使えるようにしました(^_^;今ごろか? 最近の私の生活(-_-;を反映してか、現在のところ、相当に偏ったリンク集になっています。。。(つーか、ブックマークが度重なってブッ壊れたので、バックアップとして作ったというのが真相というか) 普通の人にはぜんぜん役に立たないだろうけど、ゲーマーは必見かも。

でも、[One&Only] はまだなんだよなぁ。。。ポツリ

 
 I am THE KING OF THE WORLD!
May 11st,1998 - 23:12 


(前項タイタニック続き)「タイタニック」の監督、ジェームス・キャメロンはアカデミー賞受賞のスピーチの際、オスカーを両手にこんなことを叫んだという。"I am THE KING OF THE WORLD!" アカデミー史上最多タイの14ノミネート、そして前人未踏の11部門でのオスカー受賞という快挙は、確かにこれだけの言葉を吐いてもいい、十分な資格だ。

アカデミー賞は映画関係者から構成されるアカデミー会員の投票によって決められる映画人による映画のための賞だ。オスカーを獲得することとは、すなわち映画人に認められるということであり、映画関係者にとっては最高の名誉とされる。オスカーを持っていれば、ギャラもガクンと跳ね上がるし、依頼も殺到し、役者なら好きな役だけ、監督なら撮りたい映画だけやることもできる。

さて、「タイタニック」。しかし、この映画。冷静に観ると一体どうなんだろう? この映画、実に良く出来ている。何が良く出来ているかって、男女を問わず、安心して観ることできるからだ。基本は良質なラブストーリーといったところだが、パニック映画としても面白いし、歴史ものとしてもなかなか良く出来ているらしい。こういう分け方はあまり好きではないが、単純にいってしまえば、前半は女性を中心に、中盤〜後半は男性を中心に、そしてラストは両方ともそろって楽しめる。

2億ドル掛けた(賭けた?)だけあって、細部にまで渡って凝りにこっている。片側しか作られていない船体の、もう半分の収録を行う際(編集時に鏡面処理する)、映画館で見えるはずのない乗客の手荷物の荷札に書かれている乗客名にまで渡って、すべて逆さにしたというエピソードは有名だ(撮影は遠景なのに)。船が真っ二つに折れて、グングンと沈んでいく、CMでも使われた沈没シーンは、まさに圧巻。いくら声を大にして言ったところで、劇場で観なければ、このスゴさは100分の1も理解してもらえないだろう。終盤、劇場のそこら中は涙の音であふれ、スタッフロールになっても席を立つものは僅かしか数えることができない。こんな現象、スピルバーグの「シンドラーのリスト」以来、久々だ。しかも、この映画、リピーターが多いという。劇場によっては 40〜60%はリピーターだという説もある。オーストラリアでは、この映画を100回観たというつわものの女性もいたらしい。ハリウッド映画など御法度という中国でさえ、この映画は党の推薦で公開されているとも聞く。しかし、何か納得できない。確かに劇中は面白いのだが、冷静になって、いろいろと振り替えって考えてみると、アカデミーでの大進撃は、何か納得できない−まるで「フォレスト・ガンプ」がオスカーを取ったときのように。

そう、この映画は役者−というか主人公の2人−に深みというものが、あまり感じられないのだ。レオナルド・デュカプリオは確かにカッコイイが、何か役に説得力がない(だからオスカーにはノミネートすらされていない)。監督から、少しだけ感情を抑制した演技をするようにいわれたのかどうかは知らないが、そういう演技は彼の持ち味を殺しているような気がするし、それは彼の魅力ではない−「ロミオ+ジュリエット」の感情を爆発させた彼の方がいい味を出しているような気がする(でも、このロミ+ジュリの現代を舞台にシェークスピアをやるという設定はいいかも知れないけど、セリフ自体が現代的でないので、いささか滑稽ではある。でも絵はきれい)。ケイト・ウィンスレットは上流階級を抜け出したいと思っている反抗的なお嬢様という役どころだが、うーん、こっちもどうだかなぁという感じだ。上流階級なのに、なんか下町の娘臭さ(?)を醸し出しているというか、何か優雅さというか気品に足りない。なんで、レオ演じる貧乏絵描きと一緒にいるときは結構いいし、三等客室でのダンスシーンで見せた、気品はないけど自然な感じの笑みには魅了されるが、鼻持ちならない金持ちどもと一緒にいるときは、なんか不自然。

そもそも、キャメロンという監督自体、人間を描くことがあまりうまくないような気がする。エイリアン2(劇場公開版)で、リプリーが自分の娘を回想するというとてつもなく重要そうなシーンをカットしてしまうような監督である。そういう監督に深みのある人物像を撮ってもらうことを願うのが、そもそもの間違いなのか? 彼はある現象、ある状況、ある殺人マシーン(^_^;を撮ることは非常にうまい。死なないマシーンと人々が接する状況、未知の生命と人々がふれあう状況、すべてがウソで塗り固められた状況、船が沈んでしまう状況をCGを使って撮らせたら、この人の右に出るエンターティナーはざらにはいない。でも、彼は基本的にそれだけである。「ターミネーター」(一作目の方)(*1)が、唯一、人を描いた素晴らしい作品だったが、それ以降のキャメロンは、人物の方ではなく、機械の方に、テクノロジーの方に傾斜してしまった(それはそれで悪いことではないし、突き詰めてほしくもある)。

と、まぁ、グチっぽいことをたくさん列挙してしまったが、でも、上映中はゼッタイに泣けるし、ハラハラドキドキする展開で、3時間以上にもおよぶ上映時間などアッという間なんで、ぜひぜひ観ることをオススメする。たぶん、あちきも、後1〜2回は観に行くことだろう。この映画はゼッタイにビデオで最初に観てはいけません。ちゃんと忠告したからね(^_^;。


*1 ターミネーター
シュワルツェネッガーを一躍スターダムにのし上げたキャメロンの劇場公開監督作品。低予算ながら、その無機質な音楽と、無機質なシュワルツェネッガーの演技(?)で、キャメロンの名を世に知らしめた。オレが中学生の時に初めて借りたレンタルビデオがこれだった。ガキの頃は、これを無敵サイボーグ活劇映画(?)として観ていたが、今観ると、この映画はぜんぜん違う角度でしか観ることが出来ない。実はこれは純粋なラブストーリーで、サラ(リンダ・ハミルトン)とカイル(マイケル・ビーン)が時代を超えて結ばれるという、実に感動的なフェアリーテイルなのだ。
 
 
 don't worry, be happy! May 7th,1998 - 21:45 


GW中は映画ばかり観ていた気がする。ってことで、御勧め、非御勧め(^_^;の作品を適当にチョイスしてご紹介しよう。見に行く時の参考にでもどうぞ。

スターシップ・トゥルーパーズ
ロバート・A・ハインラインの SF小説「宇宙の戦士」の映画化。あちきは原作を読んだことが無いけど、そのスジの人なら知らない人はいないだろうというくらい有名な作家(故人)。ハリウッドでは、よく「映画化は不可能だ」といわれている小説がホイホイと映画化されているが(^_^;、これは確かに今までは映画化が不可能だったろうな、と思われる内容。とにかく、「スゲー」の一言。これ以外の言葉はない。
この映画、原作を知らない人にとってはハッキリいってストーリーなんかどうでもいい。1にムシ、2に死体、3、4がなくて、5に宇宙船という内容(なんじゃそりゃ)。もう、ハンパな数ではないムシと死体が登場する。どっちもウゲゲなのに、それが両方とも大量に出てくるもんだから、この手のものが嫌いな人だったら、多分しばらくゴハンがおいしく食べられなくなります、ハイ。モノスゴイものが観たい人は心してドーゾ。

エイリアン4
エイリアンは実に素晴らしいシリーズだ。いや、だった。1(ALIEN)では、宇宙船内を密室として描き、今までに無かった漆黒の中の恐怖を映し出した。2(ALIENS)では、打って変わって、大量に迫り来る恐怖を気持ち良く(?)跳ね飛ばすアクション映画として、1とは全く違うタイプの作品となってこの世に登場した。3(ALIEN^3)では、1の雰囲気をシリーズに戻しつつも、独特の色彩感覚により、一種、絵画的とも言える映像美で、我々の目を魅了した。
ところが、この4(ALIEN RESURRECTION)は一体どうだろう。この映画は、多分、本年度、一番お金を掛けた駄作として、人々の記憶に残るに違いない(いや、記憶に残るかどうかも怪しい)。エイリアンの絵自体は、CGを取り入れ、これまでのシリーズの中でも一番気持ちよく動く。水の中を泳ぐし、ハシゴも昇る。しかし、この映画、ストーリーから設定、シガニー・ウィーバーやウィノナ・ライダーの扱い方まで、全てにおいてなっていない。特に最後のシーン。エイリアンの生みの親、H.R.ギーガーが生み出した、おぞましくも美しき生命体の存在を、全てチャラにしてしまうような、「アレ」は一体何だ?! ゼッタイに許せん。
これはリプリーが悪いのでも、エイリアンが悪いのでもない。金儲けに勤しみ、ギーガーに敬意を払わないハリウッドのプロデューサーは射殺すべし。

ドーベルマン
これは、ハッキリいって超オススメの映画。フランスの映画なのだが、かなりブッ飛んだ作品。銀行強盗をしては警察を翻弄し、悪の限りを尽くす一団、ドーベルマンと、自白を引き出すためなら容疑者の家族までをもサディスティックにいたぶるハゲ刑事との壮絶なバトル。「フランス映画? 退屈なヤツだろ?」という人は、この映画を観てからそういうことを言わなければならない。今世紀最大の駄作、フィフス・エレメントを観て、リック・ベンソンを見限った人は、この映画を観れば気を取り戻すかもしれない(別の意味で)。

ジャッキー・ブラウン
タランティーノの新作は、今思い起こせば、非常にクールな大人の作品、だと思う。俺は、タランティーノの新作と聞いて、レザボアの壮絶なラストシーンや、パルプのノリを楽しむつもりでこの映画を観に行った。そういう人は、この映画の良さに気づくのは難しいかもしれない(俺は不覚にも前半部に眠気を感じた)。この映画を、この前2作の感覚の延長線上で捕えて観に行ってはならない。それを肝に銘じておけば、この映画は物すごく楽しめると思う。
それにしても、デ・ニーロをここまでバカな役(見てのお楽しみ)にして使ってしまうタランティーノの度量には恐れ入る(^_^;。今までは、なかなか美味しい役ばかりを演じてきていたサミュエル・L・ジャクソンも、今回は自分を大物だと勘違いしているチンケな小悪党として、カッコイイんだけど死ぬほどカッコ悪い役がハマリすぎていて恐い。だが、何といっても主役のパム・グリアと、彼女を助けるマックス役のロバート・フォースターは、息を呑むほどカッコイイ。
 
 
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