むらたけん online


issue #43 / july 10, 1997



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その3
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たなタケウチクンとの出会いは、やはりこのバイト先でした。それは私が夕方のシフトから深夜のシフトに移った、大学2年の春でした。話は変わりますが、そういえば、このバイト先であったコンビニには、妙に同じ名字の人間がたくさんいました。タケウチクンは、まぁ時期が違うとはいえ3人いましたし、佐々木さんが2人、芝田さんが2人、鈴木さんが2人、田中さんが2人、矢口さんが2人、そして当然のごとく(?)村田さんも2人(include 私)いました。栗津原さんという珍しい名字の子が2人いた時は流石にびっくりしましたが、後の調査で姉妹であることが判明しました。

今度のタケウチクンは非常に素直で、まじめな青年でした。非常に素直でした。その素直さは折り紙付きで、彼がバイトを始めた理由というのが「必ず学べる英会話」というビデオ(全45巻)を親切な知人を通じて50万で買ったからでした。ありがたいことに、支払いは分割OKで、本当にちゃんと働いているかどうかという確認の電話が、その知人からバイト先にあるくらい、彼はその人に慕われていました。

彼がその分割払いを半分くらい払い終えた頃でしょうか、私になかなか魅力的な話を持ってきました。彼のさる親切な友人がヨットの上でパーティーをやらないかというのです。よくよく話を聞いてみると、どうもそれはそのパーティーに参加しないか?とかいう話ではなく、その主催者にならないか?という話でした。何でも、安くヨットを貸してくれるので、そういうことをやれば、儲かるかもしれないぞ?という話なのです。年契約 300万ということなので、会費2万で15人集めたパーティーを10回もすれば元が取れます。50万という英会話ビデオをぽーんと買ってしまったタケウチクンでも、流石に 300万は今持っていないので、共同出資者になって欲しいというのです。彼の目は非常に真剣でした。私は丁重にお断りしました。

彼は−そのような人生が、傍目から見てシアワセかどうかはともかくとして−幸福街道を直走っていました。1週間ほどバイトに来なくなったかと思えば、目をウルウルさせながら、肩を抱き共に語ろう!なんとおっしゃって、とうとうと自己啓発セミナーの素晴らしさを説明してくれたりしました。そう、エヴァンゲリオンの最後のアレです。エヴァでは描かれていませんでしたが、自己啓発セミナーの第3部ってのは、このスバラシイ体験を世界中のみんなにも分け与えるべく、オトモダチやシリアイを誘ってくるというステージなんです。エヴァのラストが非難轟轟だったのは、この第3部がちゃんと語られていなかったらだというホントのようなウソの話があります。
ちなみに、この第1部ってのが集会みたいな会合で第2部への導入(入会)です。第2部ってのがエヴァで語られていたアレで、通常は山奥にこもって合宿をするそうです、タケウチくんの説明ですと。

全然関係ないのですが、この間、昔の知人に久しぶりに飲みに誘われたら、いきなりマルチの集会に連れて行かれました。手口がちょっとセミナーに似ていて、なかなか興味深い経験でした。で、ここで5〜6人に囲まれて、類まれなる説得術(?)で入会を迫られたのですが、あちきは散々思わせぶりな態度を取っておいてから、「ところで、これってマルチじゃねーの?」と尋ねたら、彼らは思いっきり引いてくれました。その帰り道、その昔の知人に「お前、こんなことしていて友達なくさない?」って聞いたところ、「ウン、今1人、また失った」といって去っていきました。

の後、タケウチクンは町田のガード下で、幸福の科学の宣教師(?)としての存在を確認された後、行方知らずとなっています。次のタケウチクンは、どんなタケウチクンなのか、今から楽しみです。(この項おわり)




久々の onlineでした。IISのログを見たら、ちゃんと皆さま、ご来店なさっていただいているみたいで、なんかゴメンナサイでした。
ところで「春うらら」で「待ち遠し」いって、来年のことなんですかね? O-157は、まぁ確かにもうそんな季節ですが(謎)。
そうそう、Iさんのところで紹介されている「がんばれゲイツ君!!」は必見です。


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